2018年5月12日土曜日

フランス額装の本レビュー[1]『パリで話題の手作り額』著/小笠原よしえ

日本のフランス額装の専門書は、種類も数も少ないので
書店に置いてあることが少なく
中身をよく見て買うことが、しにくい状況にあります。

さらに、絶版になった本などはプレミアがついて
高額になってしまっていることも。

そこで、フランス額装専門の本を1冊ずつ取り上げ
内容や特徴を、写真と一緒にご紹介してみようと思います。
刊行が古い本からスタートです。

1回目の今回は
『フレンチ額装(アンカードルモン)入門 パリで話題の手作り額』

パリで話題の手作り額

















1999年に発行されたA4サイズのムック本です。
カラー82ページ、後半16ページがモノクロ。
著者は東京・代々木八幡にある額装&額作り教室
「atelier yo(アトリエYO)」を主宰する小笠原よしえさんです。

出版元のパッチワーク通信社が2015年になくなったため
現在は絶版。
そのため定価1260円のところ
Amazonで中古品が6548円から発売。
コレクター商品に至っては
なんと1万5301円で売られています!(2018年5月12日現在)

私は2016年に、まだ定価で売られていたものを購入しました。
今思うとラッキーだったのかも(笑)

この本の特徴は、なんといってもフランス額装を作る手順が
写真と一緒に詳しく紹介されているところです。
「Part1 基本のテクニックをマスターしよう」では
色の選び方や紙の切り方、化粧紙の貼り方などの基本の作業が
順を追って説明されています。

パリで話題の手作り額
Part1の中の「直角の出し方・紙の切り方」と「窓の開け方」















Part2では基本テクニックを応用した
さまざまなデザインのフランス額装の作り方を解説。

下はその中の1つで
「ビゾー・ドロア」というテクニックを使った額装の
コツと手順が紹介されています。
まず参考となる作品の写真が大きく掲載され
その作り方が写真入りで展開してあるので、わかりやすいです。

パリで話題の手作り額














Part3は「由緒ただしき「ラビ」にトライ」として
フランス額装のテクニックの中でも歴史の古い
「ラビ」の基本が紹介されています。

パリで話題の手作り額














この他、ダンボールなどさまざまな素材を使った額装応用編や
額縁自体を装飾するアレンジテクなども掲載。
最後に、必要な道具や用語の解説もあります。

これからフランス額装を始めようと思っている方や
周辺に教室がなくて、独学でトライしてみようという方に
オススメの本と言えそうです。

小笠原よしえさんはこの他にも
パリでの暮らしや額装との出会いなどをつづった
「フレンチ額装に魅せられて (好きな仕事で生きる)」
(1999年 ブロンズ新社刊)
など、いくつか本を出されています。