内容や特徴を、写真と一緒に紹介するレビュー企画。
3冊目は、2001年に日貿出版社から発行された
『フランス額装飾入門 作品の魅力を際立たせるオシャレな額装 』。
著者は額装工房アールデコを主宰する
額装家の坂本宣子さんです。
サイズはA4変形と言われるタイプで
タテはA4、ヨコがA4より少し大きくなっています。
オールカラー102ページ。
定価は2900円(税別)ですが、現在は品切れ&重版未定。
Amazonで中古品を手に入れることができますが
プレミアがついて、最も安いもので7150円。
一番高い中古品はなんと1万7400円という価格がついてます!
(6月29日現在)
でも実は、この本は図書館でも見ることができます。
私も図書館で借りて楽しく読ませていただきました。
本誌の個性は、まずこのタイトルですね。
坂本さんがパリで額装教室を開いていたとき
生徒さんから「フランス額装では真意が伝わらないので“額装飾”にしては」
という意見があり
以来、「フランス額装飾」という言葉で表現されているのだとか。
他にもフランスの画材店や蚤の市など
フランスのスタイルについてのエピソードが巻頭で語られて
フランス額装飾への興味を高めています。
額装のレッスンは、まず「額装づくりを楽しむ」として
3つの基本的なテクニックとその作り方が紹介されています。
右ページの右下に、6色の四角が並んでいるのがわかるでしょうか。
紹介されている額装飾に使う色が
全テクニックでこのように紹介されています。
色彩の考え方の参考になって、とてもいいアイデアですね。
下のように色使いの決め方からフィレの入れ方、
裏板にリングをつける方法、パッケをして裏仕上げをまで
実に詳しくていねいに1つ1つのステップを解説しているのが印象的です。
「基本テクニック編」からは
テクニックのポイントに絞って解説されています。
「基本テクニック編」で4つのテクニック、
次の「テクニック・ア・ラ・カルト」で11のテクニックが紹介され
「オリジナル額装を楽しみます」として
ワインのラベルコレクションやオブジェなどを額装した
素敵なオリジナル作品も紹介。
さらには「アーティストのオリジナル作品を額装飾します」として
リトグラフや油絵、書画など、さまざまなアート作品の額装例も!
巻末にはレッスンで使うポストカード2枚も付いていて
実にバリエーション豊かな内容。
額装の写真が大きく、美しく撮られています。
額装飾に使う道具類や用語解説、画材店の情報もあって
読みごたえ、見ごたえありの一冊です。
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フランス額装の本レビュー[1]『パリで話題の手作り額』著/小笠原よしえ
フランス額装の本レビュー[2]『フランス仕立てのフレーミング』著/広岡ちはる