2018年6月18日月曜日

フランス額装の本レビュー[2]『フランス仕立てのフレーミング』著/広岡ちはる

フランス額装専門の本を、刊行が古いものから1冊ずつ取り上げ
内容や特徴を、写真と一緒に紹介するレビュー企画。

2冊目は、2000年に文化出版局から発行された
『自分で仕上げるかんたん額装 フランス仕立てのフレーミング』です。

著者はアンカードルモン・アンの教室情報でも紹介している
La Baguette(ラ・バゲット)の主宰者・広岡ちはるさんです。

フランス仕立てのフレーミング

















サイズはB5よりひと回り小さく、タテ約24.5センチ、ヨコ約16センチ。
カラー64ページ、後半23ページがモノクロ。
定価は1500円(税別)ですが
現在は品切れ&重版未定となっているようで
中古品も多く見つけられます。

本書はテーマ別の12のレッスンで構成されていて、それぞれに
フランスの伝統的な手法にアレンジテクニックを加えた「基本作品」と
さらにアイデアをプラスした「応用作品」が紹介されています。

特徴的なのは、飾る作品として絵や写真だけではなく
詩集や古地図、木のオーナメントや絵本といった立体物など
さまざまなタイプのものを額装して見せてくれているところ。
ラストのレッスンでは、ミニチュア家具まで登場します。

こんなものまで額装できるのか
こういうものを飾るのも素敵、と
新たな発見もできそうです。

下は「Leçon5 直角のフレンチマット」。
ページ左上に、基礎作品の写真が紹介され
テクニックと作り方の手順が、イラスト入りで詳しく解説してあります。

フランス仕立てのフレーミング












次のページに、このテクニックを使った応用作品が
写真で紹介されています。
右ページの作品は、フランスの勲章を額装したもの。
古い詩集のページの上に勲章を置くというアイデアも素敵です。

フランス仕立てのフレーミング












応用作品については、後半のモノクロページで
サイズや構造、作る際のポイントなどが解説してあります。

フランス仕立てのフレーミング












下は「Leçon6 斜角のフレンチマット」の応用作品。
写真も凝って撮ってあるので、それを見ているだけでも楽しめます。

フランス仕立てのフレーミング













ちなみに「Leçon」は「レッスン」のフランス語。
本誌ではいろいろなところに、デザイン的にフランス語が使われていて
編集者やデザイナーのこだわリも感じられます。

他にも、制作に必要な材料や道具
作品の素材別扱い方ポイントなどの解説もあり。
初心者の方も、アレンジテクを知りたいという方も
双方楽しめそうな一冊です。


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フランス額装の本レビュー[1]『パリで話題の手作り額』著/小笠原よしえ